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France_pan、公式ウェブサイト 2006年度 |
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スペアーに寄せてFrance_pan 9th sessionスペアーが終了しました。私たちは当初「豚とオートバイ」と言う韓国現代戯曲を上演しようと想ったのですが、制作上の不手際により上演許可申請を怠ってしまい、その事で各方面にご迷惑をおかけしてしまいました。その経緯などは、私自身のブログやFrance_pan公式ホームページ等で公開しておりますが、何故公演中止の道を選ばず、敢えて代替公演を行なったかについては、明確な解答を皆さまに提示出来ていなかったと想います。今回、公演終了を一つの節目と考え、代替公演を行なった理由を遅れ馳せながら此処に記そうと想います。
スペアーというタイトルがそのまま「代替」に成り得るのは、偶然の産物でありながらも、私の無意識下における複雑な想いが結晶したものであるかもしれません。それはアイロニーであると同時に、ある種の決意表明でもあるような、そんな題名だったかもしれません。その名前が持つ対外印象の良し悪しはさておき、私たちは公演継続を最優先致しました。その理由は主に以下の三点に絞られます。
① ロングラン公演を成功させるために集めた仲間が多数いた。 ② 贖罪としての公演という意識が強く働いた。 ③どのような作品になっても、演劇への想いを昇華/消化したかった。
私たちの中で、ロングラン公演を行なう事が、まず第一にありました。このような事は余り書きたくありませんが、私たちは全員フリーターです。フリーターがロングラン公演をやると言う事は、アルバイトを長期間休み、その月の収入は半減し、その職を失ってでも公演をやるんだ、と言う強い気持ちが土台にあると言う事です。お慈悲が欲しくて書くのではありません。中途半端な気持ちでロングラン公演に望めるほど、私たちFrance_panは裕福では無いと言う事です。それは小劇場でロングラン公演を行なう殆どのカンパニーに言える事だと想います。ロングラン公演は、カンパニーの力を色々な面で秤にかけます。私たちは、その秤に拮抗したかった。そしてこうした想いは、「豚とオートバイ」上演不許可通知による公演中止とは、また少し違った話だとも想うのです。というのも、作品はいつ如何なる時にでも生まれ出ると私たちは信じているからです。「豚とオートバイ」上演権は勿論、各方面での信用は失ってしまいましたが、France_pan自体の作品創作源は失っておりません。いつ如何なる時にでも、創作は多面的で可能性にみちた行為だと信じております。だからこそ私は「上演許可申請が出来ないようなカンパニーはそもそも公演自体を自粛せよ」といった意見を当初敢えて無視しておりました。勿論、一カンパニーとしてその社会的重要性を噛み締めながらではありますが。
こうした想いがある一方で、今回の企画はそもそも劇場側の企画であり、私たちも「豚とオートバイ」を上演するという前提でロングラン公演に参加が決定しておりましたので、演目変更に伴って、劇場側との話し合いが設けられました。そこで、私たちは公演継続の道を強く希望し、劇場側にその想いを思い切って投げかけました。その時、劇場側から幾つかの乗り越えるべきラインを提出して頂き、そのラインを全てクリアーすれば継続してロングラン公演を支援しても良いと仰って頂きました。私たちはその審判を受けラインを全て対処し、結果的に公演継続を許可して頂いた次第です。
公演を中止し、何もせずに自粛する事は、世間的に見て確かに猛省しているように見えます。しかし、我が身を曝け出し、自分の行なってしまった事を噛み締めながら、敢えて公演を打つ事にこそ、私は演劇人としての希望を見出します。汚点を作った当人が希望なぞと浮ついた事を、とお思いの方もいらっしゃるかと想いますが、私たちは決してあの時の失敗を忘れるために、代替公演をしたのではありません。浮ついた気持ちでロングラン公演に踏み切った訳では決して無いのです。あの問題の事に関しては、何度も劇団内で話し合い、それでも尚公演継続の道を辿ったと言う事です。カンパニーとして、あの問題は決して忘れ去る事無く、と同時に公演継続の道を選んだのであります。そして、代替公演をさせて頂きましたことで、より一層「作品づくり」の重要性、「作品」や「集団性」や「お客様」といったような、人と人とのつながりを再認識出来たと想っております。
あの時の失敗が、私たちFrance_panの中で葬り去られる事は無いでしょう。これからもずっと付き合っていかなくてはいけない問題だと想っております。今後どういった形であの時の失敗を転化させ、カンパニーとして成長していけるかまだまだ判りませんが、私は代替公演によって多くのものを得ましたと信じております。
最後になりましたが、公演継続を許可してくださった劇場の皆様方、そして関係者の皆様方、またご迷惑をおかけしたにも関わらずスペアーを観に来て下さった方、応援して下さった皆様方に、深く深く感謝の意を述べたいと想います。これは嘘でも皮肉でも無く本心なのですが、私たちに何らかの想いを寄せて頂いた皆様一人一人が本当に大切な存在です。
2006年12月吉日 France_pan主宰 伊藤拓 |
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