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2006年度
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special

伊藤拓interview 
Re:ビョーキを終えて

【ジョイント公演を熱望】

【音楽からのビョーキ】

【異化効果の笑い】

【表層的な情報の塊】

【最後に残るもの】


【表層的な情報の塊】

--ラストシーンでは、警備員のほかに新聞紙が出てきますよね。

伊藤 問題の(笑)。

--それぞれがそれぞれに抱えていた問題を、一瞬にしてあれでまとめてしまったわけですが。あれが一番日常的な情報の塊ではありますけど、あれはやっぱり、新聞しかないというか。アフタートークでは最初は新聞を束ねて塊にして、暴力的に落としたかったとおっしゃっていましたが、結局、小屋の設備的に無理だったのですか?

伊藤 そうですね、ちょっと設備的なところもあり。あれは、物語を要約しますと、ファーストフード店にフリーターが食べに来る。でも40分待っていたのに、ダブルチーズバーガーが来ない。それに怒ってクレームを言いに行く。それで、結局むかついて、店長の女を殺すと。そこの結局むかついて殺すという単純な道が、僕は(アフタートークで)金さんにまず叩かれましたが。で、話戻しまして、その話とは別に女がいる。それはマグロ女でセックスのときは声が出ないが、一人エッチは好き。その子と大石君が演じるフリーターが、おそらく想像の中だろうけど、エッチをすると。でも実はその殺された女の人は、マグロ女の妹だった。そういう刺激的な構造を出したかったんだけど、なかなか出せなかったですね。見ている方はそこまでリンクはしてないはず。

--リンクはしてないですね。別に姉妹であったとしても、なかったとしても、そこまで重要ではないです。

伊藤 僕の中であのフリーターが、何がきっかけかはわからないけど、あの妹のお姉ちゃんを想像すると言うか、妄想する。でも、やっぱり最終的にマグロ女は不幸なんです。だって、そんなことを知らずにエッチして皮肉にも「イェーイ」なんて言ってるようなモノですから。そういう悲惨なことをやりたかったんです。悲哀というか。自分の母と知らずにエッチをしてしまうというような。

新聞紙がバンバンバンバンバンって最後に落ちてきたらやっぱ迫力があるじゃないですか。あの芝居を見て、サラリーマンの見方が変わってもらえたらうれしいのと、新聞ってなんやろうって感覚を最後にもってくれたら、とは思いましたが、あの降らせ方、ヒラヒラという落ちる感じでは、ちょっとね。

--それじゃあジャーナリズム批判まで意図していたんですか?

伊藤 そこまでは考えてないですけど、たまたまチョムスキーって人の本を読んでいて、「ニュースも一つの商品だ」っていう言葉があるんです。それが僕の中で強く残ってるかもしれませんね。結局新聞の情報って偏ったもので、「事件です、○○街で何歳の○○が殺されました」と言われただけで、そこに物語性を感じて、大いに真の意味で感情を揺さ振られる人はきっといないわけで。

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